食べることは暮らすこと。食ぐらし

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vol.09

コーヒー一杯の幸せ

日本はまるでコーヒー文化国

日本はまるでコーヒー文化国先日、100名ほどの前で講義をした際に「今日コーヒーを飲んだ人?」と問いかけたところ、なんと8割ほどの人が挙手。コーヒー文化とはすごいものだと、あらためて実感した次第です。

コーヒーが本格的に日本に入って来たのは55年前。コーヒー豆の輸入が解禁になった年です。それまでは細々とは入って来ていましたが、ほぼゼロに等しい状況。解禁と同時に約4,000tのコーヒー豆が輸入され、それ以来市場は拡大の一途。昨年の輸入量は約50万t。55年前の約120倍です。55年前までの日本は、完全にお茶文化。それが今ではコーヒー文化国と言っても間違いないほど、コーヒー愛飲者が増えてきています。

コーヒーの魅力は、楽しみ方の多様性にある

人々を魅了するコーヒー。科学的に分析すると、"カフェイン"に起因する部分が大きいようです。どこか常習性と、リラクゼーションを身体にもたらす効果が、人を気が付かないうちに誘ってしまっているのでしょう。

でもそれだけではなく、コーヒーを飲むまでのプロセスの面白さと多様性に富んでいることも大きな要因なのではないでしょうか? コーヒーは「豆を選び」、「焙煎し」、「豆を挽き」、そして一杯のコーヒーを「淹れる」。大きくは4つのプロセスを経るわけですが、このプロセスごとに様々な楽しみがあります。

例えば、「豆を選ぶ」。これは生産地である国との関わり方があります。コーヒー愛好家の私の友人は、「コーヒーは豆に尽きる」と言います。だから彼は年に一度は、中南米や東南アジアなど生産地を訪れます。

次に、「淹れ方」。一般的なペイパードリップからサイフォンまで様々な淹れ方があり、それぞれ違うコーヒーの味わいがあります。これが正しいという世界ではなく、人それぞれの淹れ方があり、それが心を自由にしてくれる、コーヒーの楽しみ方のひとつです。

コーヒーのある空間を楽しむ

コーヒーのある空間を楽しむ家で飲むコーヒーとは違った楽しみ方が、外で飲むコーヒーにはあります。特に牽引しているのが、米国シアトル発祥のスターバックス コーヒー。彼らは薄いアメリカンを好むアメリカ人に、本格的なイタリア型エスプレッソを飲むという習慣を定着させただけでなく、家でも職場でもない"第三の場所"としてのカフェ空間を人々に提供することに成功しました。そこにはあらゆる人種や、子供からシニアまで幅広い年齢層が、ストレスや日々の事柄から解放され、平等で自由になれる"第三の場所"として集います。

そこにはコーヒーがあり、一人で解放されたい人や、友人と会話を楽しむ人々の姿があります。たかが一杯のコーヒー。だけど、多くのことを解決してくれる空間になり得る"第三の場所"です。

これから季節は秋。一杯のコーヒーが、より美味しく感じられる季節です。お家で、外で、幸せな一杯をあなたらしく楽しんでみませんか?

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食のぐるり株式会社
代表取締役

高原 純一

企業のマーケティング・コンサルティング、プロジェクト・ディレクションを基盤に講演、執筆業務を営む。
傍ら、消費者と農業・漁業生産者の目線から、食卓と暮らしのしあわせづくりにも取り組んでいる。

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