食べることは暮らすこと。食ぐらし

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vol.17

美味しい楽しいクラフトビール

昔地ビール、今クラフトビール

昔地ビール、今クラフトビール僕は無類のビール好きなのですが、どうも昔は日本のビールがつまらなくて、海外へ旅行に行った際に飲む現地のビールと比較しては、もっと日本も何とかならないものかと思っていました。と言いますのも、日本は大手ビール会社が寡占し、ほぼ全てがラガービール。各社の味の差をCMでは訴えかけますが、正直さほど差はありません。しかし、海外へ行くとエールビールやIPAなど多種多様なビールがあり、しかも様々なビール会社が趣向を凝らし、選択肢の違いは日本と比べ驚くばかりです。

しかし、日本でもそこへやっと入ってきたのが、小さな醸造所が作るビール。規制緩和で少量でもビールを作れるように政府が行った政策により、いわゆる地ビールというビールが出てきたのです。ただ、出てきた当初は資本力も乏しいところが多くて淘汰が起き、気が付けばブームとして収束していきました。しかし、昨今更なる緩和と職人魂を持った醸造所が日本中で徐々に台頭し、海外並み、いや海外を超える勢いで、面白い小さな醸造所の職人気質ビール、いわゆるクラフトビールが世に出て来るようになってきました。

ゆかりのビールをみつける

クラフトビールの楽しみは、どこかしら作り手のこだわりが見えるところです。生まれた土地への愛着や社会的メッセージビールもあれば、果物等と掛け合わせることで今までにない味のビールにするなど、どこかに想いや仕掛けが見えてきます。
僕が好きなビールで行くと、まず『独歩麦酒』。これは僕の生まれ故郷・岡山のビールで、宮下酒造という酒造会社が作ったクラフトビールです。前述の地ビールブームの頃に勃興し、日本のクラフトビールの走りと言ってよいビールです。岡山の美味しい水にこだわり、岡山米やマスカットなど土地にとことんこだわったビールです。味も抜群に美味しいビールです。
もう一つが『KAMIKATZ ZERO WASTE BEER』。こちらは徳島県上勝町という、とても小さな村でできたビール。ゼロ・ウエイストという、ゴミゼロ宣言を冠した社会メッセージ型ビールです。こちらもたまらないほど美味しいビールです。

大手も負けてはいません

クラフトビールは小さな醸造所が作ったビールとのことで、大手は作らないんだと思われた方もいるかと思われます。しかし、最近は大手ビール会社も、あえてその分野へ力を注ぎ始めています。特にキリンビールの熱は熱く、大量生産し売れば良いという仕組みから脱却し、ビール好きの人たちにしっかりと美味しいビールを届けたいという意思を会社全面で醸し、その結果、ついに東京・代官山に『スプリング・ヴァレー・ブリュワリー』という、レストラン併設型の小規模な醸造所まで作ってしまいました。
ここでは、毎日数種類の職人こだわりのビールを楽しむことができます。また、そのビールに合った食事もサーブされ、ビールのある食卓を演出し、ビール好きの心をしっかりと捉えています。
こういった大手の動きに刺激されて、小さな醸造所は負けまいと、よりその想いを形にするため鍛練に励んでいます。
さらに美味しく面白くなりそうなクラフトビール。目が離せないと同時に、ビール好きとしてはワクワクが止まりません。どのクラフトビールを飲もうか、今夜も迷ってしまいます。

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食のぐるり株式会社
代表取締役

高原 純一

企業のマーケティング・コンサルティング、プロジェクト・ディレクションを基盤に講演、執筆業務を営む。
傍ら、消費者と農業・漁業生産者の目線から、食卓と暮らしのしあわせづくりにも取り組んでいる。

ホームページ
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