食べることは暮らすこと。食ぐらし

食べることは暮らすこと。食ぐらし

vol.18

味の話

女性は甘いものがお好き

女性は甘いものがお好き栄養学的には、摂取すべき食べ物の男女性差はないというのが定説ですが、どうもものの本によると、好みは男女性差のあるものがひとつだけあるようです。それは、菓子類です。甘いものですね。そこで私も20代の男女それぞれ百名ほどに回答を求めたところ、他の食べ物ではさほど大きな開きはなかったのですが、菓子類に関しては男女で摂取量に倍近い差が見受けられました。更に聞いてみたところ、間食好きというのも圧倒的に女性であることも分かりました。また、男性にはなかった「食べると幸せ」という言葉まで出てきました。

昨今、男性の女子力(?)が上がって来ていますので、定点観測するとこの差は縮まってくるのかもしれません。甘いものという味からも色々なことが見えてきます。味っておもしろいですね。

体験は味を超える?

皆さん、いわゆるおふくろの味は好きだと思います。これは化学者の実験によると、動物の中で人間だけが感じるものだそうです。動物も味は感じます。だから野に生えていて食べられる美味しいものは食べますが、毒になる美味しくないものは仮に口に入れたとしても吐き出します。本能と遺伝子によるものです。ですので、生後すぐに発揮します。
しかし、人間が感じるおふくろの味は、生後すぐには認識されません。徐々に徐々に、体験と共に味覚はすりこまれていきます。舌で感じるというより、体験して頭で感じる味覚と言えます。
昨年、私は目の手術のために数週間病院に入院しました。最初、病院食はまずいものという思いがあり、毎食が気乗りしませんでした。しかし、自分の身体が徐々に回復して行くと、病院の食事がそれに伴って徐々に美味しく感じられるようになり、退院間近には、「美味しい!」と思えるようになっていました。これは病院食の味が、好転する私の身体と呼応し、体験として私の味覚を変えて行ったに他なりません。
このように、味は体験によって美味しくもなれば不味くもなる。だからこそ、食べる時の気持ちと環境は大切だということが分かります。生まれてから死ぬまで、一回一回の食事体験が人生のひとつを変えるといってもよいでしょう。
味っておもしろいですし、大切ですね。

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食のぐるり株式会社
代表取締役

高原 純一

企業のマーケティング・コンサルティング、プロジェクト・ディレクションを基盤に講演、執筆業務を営む。
傍ら、消費者と農業・漁業生産者の目線から、食卓と暮らしのしあわせづくりにも取り組んでいる。

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