食べることは暮らすこと。食ぐらし

食べることは暮らすこと。食ぐらし

vol.21

夏のビール紀行

この夏は暑い東京を抜け出して、美味しいビールが生まれているところへビールを飲みながら旅をしてきました。ビールの旅、お付き合いください。

まずは岡山

夏のビール紀行日本中の美味しいビールを生み出すところへ出かけては、その土地のビールで喉をうるおす。僕のプチ贅沢なビールの旅。その中でも一番自分にしっくりくるところは、やはり生まれ故郷岡山。岡山にはいくつか醸造所がありますが、中でも僕のお気に入りは『独歩麦酒』。生まれ育った国富という町からやや北に位置し、すぐ傍を流れる旭川水系の美味しい水ででき上がったそのビールはまさに故郷の味。正当的なドイツ製法を教科書にしたそのまっすぐな味わいは、北は蒜山高原の牧歌的なチーズから、南は緩やかな瀬戸内海の海の幸まで、岡山の心温まる美味のどれと合わせても相性よく、いつも僕を居心地よくさせてくれます。皆様にもあるかと思います。故郷のビールに、乾杯!

次は徳島

郷里・岡山のビールに満たされた心と身体そのままに、瀬戸内海を渡り目指すは徳島。市街地から車で1時間以上行って山郷へ。ここは上勝町。ゼロウエイスト、ゴミゼロ社会を世界へ発信する村として名前が知られる、人口1600人の小さな村です。見渡す限り杉林と畑のみ。何もない。信号も村に一つだけ。なのに、スゴいビール醸造所がある。その名も『KAMIKATZ BEER』(カミカツ ビール)。醸造所は遠くからでも目印となる徳島藍染めのタワーの下、目を疑うほどカッコよくクラフトマンシップに溢れたその姿は、飲む前からそのビールの味への自信のほどが伺えます。そして、その味は大当たり。僕の大好きなIPA(※)はまさに求めた味。特産のすだちや上勝原産の柑橘類・柚香(ゆこう)を使ったビールは郷土愛に溢れ、上勝を世界中にゼロウエイストメッセージとともに広める大きな力を喉から感じます。何もない土地に想いの全てが詰まった感動のビールに、乾杯!

※IPA・・・非常に強いホップの香りと苦味を持っているビール。18世紀末頃、ビールをインドへ輸送する際に、長期保尊に耐えるために大量のホップを使用して防腐処理をしたことで生まれたと言われている。

締めは遠野

夏のビール紀行

旅の最後は、岩手県遠野市。ここはビール好きにはたまらない、ビールの聖地。ビールの香りづけと味の決め手・ホップの生産地として名高い場所です。ここ遠野で4年前から始まった、日本中からビール好きを吸引するイベントが『遠野ホップ収穫祭』。初年度は2,000人、毎年徐々に増え、4回目の今年は7,500人のビール好きが日本中から小さな遠野の町に終結。ビール好きのオーラが渦巻く中で飲むビールは格別です。
遠野の町にあるいくつかの醸造所と遠野ホップを原料に、国産のホップ農家の支援をするキリンのビールを飲みなが巡る畑ツアーの醍醐味は、畑で穫れたてのホップをビールに浮かべ飲む、ビール史上最強に美味しいビールにあります。この場所だけの特別なビールを味わいながら、生産者もビール好きも一緒になって、飲んで食べて歌って踊って。ビールの聖地、遠野で乾杯!

記事一覧へ戻る

食のぐるり株式会社
代表取締役

高原 純一

企業のマーケティング・コンサルティング、プロジェクト・ディレクションを基盤に講演、執筆業務を営む。
傍ら、消費者と農業・漁業生産者の目線から、食卓と暮らしのしあわせづくりにも取り組んでいる。

ホームページ
http://shokuguru.com
Facebookページ
https://www.facebook.com/shokuguru