薬剤師が実践!薬を使わずに健康に生きる

薬剤師が実践!薬を使わずに健康に生きる

vol.23

不眠のタイプの違いで薬も変わる

不眠のタイプの違いで薬も変わる

前回は、一時的な不眠症状に使う「睡眠改善薬」のお話でした。
不眠(寝つきが悪い、眠りが浅いなど)が何週間も続くのであれば、もう一時的とは言えませんね。眠れないという症状の深刻さが違います。
この場合は医師の診断を受けたほうがいいでしょう。本来は睡眠外来を受診となりますが、睡眠外来でなくても内科でも皮膚科でも病院の医師であれば、睡眠薬を処方することができます。これが睡眠薬使い過ぎの問題の一因なのですが、この問題はいったん置いておき、病院を受診するときに注意してほしいことがあります。

それは「どんなふうに眠れないのか。状況をきちんと説明する」ということです。
ひとくちに眠れないといっても症状はいろいろ。その症状によって処方される睡眠薬が違ってきます。ですから、どんなふうに眠れないのかを的確に説明する必要があります。

不眠症には4つのタイプがあります。

  1. ① 入眠障害(寝つきが悪い)
  2. ② 中途覚醒(夜中に何度も目が覚める)
  3. ③ 早期覚醒(朝早く目が覚めて、その後眠れない)
  4. ④ 熟眠障害(眠った気がしない、眠っていないと感じる)

特に、睡眠の専門医でない場合は、きちんと説明する必要性が高いと思います。

これらの症状に合わせて、睡眠薬・睡眠導入剤が処方されます。基本的には医師が症状に合った薬を処方してくれるので、薬の名前などに詳しくなる必要はありませんが、ごく簡単に4つの分類を説明しましょう。

薬の効いている時間によって、次のように分類されます。

  1. ① 短時間型作用型(3〜4時間程度):薬の名前「ハルシオン」「アモバン」「マイスリー」など。「睡眠導入剤」と呼ばれるのがこのタイプ。
  2. ② 時間作用型(5〜6時間程度):薬の名前「レンドルミン」「リスミー」「デバス」など。
  3. ③ 中間作用型(12〜24時間):薬の名前「ヘンザリン」「ユーロジン」「サイレース」など。
  4. ④ 時間作用型(24時間以上):薬の名前「ネルボン」「ソメリン」「インスミン」など。

睡眠導入剤とは、①の超短時間型の薬のことです。寝つきの悪い人=入眠障害の人に処方されます。

不眠症のかなりの人が「寝つきの悪さ」を訴え、睡眠導入剤が処方されます。導入剤と聞くと、何となくそれほど強くない薬、副作用も心配なさそう…と思われるかもしれません。実際、「睡眠導入剤だけなら心配ないだろう」と、服用を続けている方が少なくありません。しかし、半減期が短いというだけで、効き目の強弱、副作用の強弱とは関係ないのです。どうか「睡眠導入剤は軽い。睡眠薬とは違う」と思わないでください。

医師の診断を受けるときは、自分の眠れない状況をきちんと説明すること、そして処方された薬は用法を守って飲みましょう。

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一般社団法人国際感食協会代表理事
薬剤師・栄養学博士

宇多川 久美子

1959年千葉県生まれ。明治薬科大学卒業。
医療の現場に身を置きながら、薬漬けの治療法に疑問を感じ、
「薬を使わない薬剤師」を目指す。
現在は、自らの経験と栄養学・食事療法などの豊富な知識を活かし、薬に頼らない健康法を講演会やセミナー、雑誌などで発信している。
「薬が病気をつくる」(あさ出版)、
「長生きするのに薬はいらない」(青春出版社)など著書多数。