薬剤師が実践!薬を使わずに健康に生きる

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vol.24

睡眠薬って副作用はある?

睡眠薬って副作用はある?

睡眠薬と聞くと、何となく怖い……というイメージをお持ちの方は多いと思います。
今回は睡眠薬の副作用についてお話します。

作用時間の短いタイプ(3~4時間の超短時間型/5~6時間の短時間型)の睡眠薬には、薬の急激な作用によって一時的に記憶が飛ぶという「健忘」症状が見られます。それによって、自分の意思によらない行動を引き起こしてしまう恐れがあります。いわゆる「異常行動」です。

作用時間の長いタイプ(12~24時間の中間型/24時間以上の長時間型)の睡眠薬には、その作用時間の長さから、毎日服用すると少しずつ身体に薬成分が溜まっていきます。これによって副作用としては、日中も眠い、だるい、ふらつきのような症状が見られます。

また、どんな薬にも言えることですが、薬には必ず「耐性」というものがあります。身体が薬になれてきて、服用しつづけることで、だんだんと効かなくなっていきます。すると、効かなくなる→薬の量が増える→また効かなくなる→また薬の量が増える、というスパイラルに陥ってしまうのです。睡眠薬だけに限りませんが、特に睡眠薬では注意しなければいけない点です。

日本の処方薬の中で、睡眠薬が占める割合はかなり高いのですが、その理由のひとつに、簡単に睡眠薬が処方されるためということが言えると思います。前回もお話しましたが、日本では、内科でも皮膚科でも眼科でも、医師免許さえ持っていれば睡眠薬を処方することができます。ですから、日本では“とりあえず”処方されてしまう睡眠薬が多いのです。

怖いのは、そうした専門外の医師から処方された睡眠薬を「軽いもの」と誤解して、漫然と服用しつづけてしまうことです。どんな睡眠薬でも1か月も2か月も服用しつづけていいものではありませんが、現実には、もう何年も飲みつづけているという方もたくさんいます。
当たり前のことですが、睡眠薬を服用するときには次のことを守ってください。

  1. ① 服用のタイミングは寝る直前:睡眠薬の効果が現れるのは服用後10~30分が目安です。また、服用の回数や期間は必ず、医師からの指示を守りましょう。
  2. ② お酒と一緒に飲まない:薬の用法に書かれているはずです。特に睡眠薬とアルコールは一緒にしてはダメ!

アルコールには催眠効果があります。眠れないからお酒を飲むという方も多いのですが、眠れない→お酒の量が増えるとなると、さらに身体に悪いですよね。中途覚醒の原因にもなります。
また、睡眠薬とアルコール、両方の催眠効果で翌朝まで眠気やふらつきが残ったり、もの忘れが生じたり、副作用が起きる恐れもあります。

睡眠薬に頼り切ってしまう前に、生活習慣を見直してみる、起きる時間を決める、夜更かししない、といった工夫も必要だと思います。それでもどうしても睡眠のリズムが取り戻せない時には、正しい服用を心がけてくださいね。

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一般社団法人国際感食協会代表理事
薬剤師・栄養学博士

宇多川 久美子

1959年千葉県生まれ。明治薬科大学卒業。
医療の現場に身を置きながら、薬漬けの治療法に疑問を感じ、
「薬を使わない薬剤師」を目指す。
現在は、自らの経験と栄養学・食事療法などの豊富な知識を活かし、薬に頼らない健康法を講演会やセミナー、雑誌などで発信している。
「薬が病気をつくる」(あさ出版)、
「長生きするのに薬はいらない」(青春出版社)など著書多数。